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実験系
・レールガン 一号機 Spec 1.0
・レールガン 二号機 Spec 2.0 / Spec 2.1 / Spec 2.2 / Spec 2.2.1 / Spec 2.2.2
・多段式レールガン Spec 2.0.1
・レールガン 三号機【電磁カタパルト】 Spec3.0~3.2 / Spec3.2.1(NEW @現在更新中)

工作系

レールガン二号機 Spec2.2.1

実に一年ぶりの実験再開です。
今回のレールガンは前回のSpec2.2の形をそのままに、レールをアルミから銅に変更し、
レールの抵抗及びエロージョンの低減を図ります。
使用する銅は無酸素銅(C1020)、生成される銅の中でも純度が高く、伝導率も良好です。
他にもタフピッチ銅、リン脱酸銅といった種類があります。
固定
穴あけなう

ネジ山を作る穴を二つに増やします。
改修完了
電力を供給するボルトを二つに増やします。
実は前回の3度の実験でアルミレールのネジ山が潰れてしまい、使うことが出来なくなってしまいました。
銅の方が抵抗も少なく、強度もありますが、念のためにネジ山を二つ作り、電流を分割します。
ただあまり前の方に電流が流れてしまうのも困るので、わざと細い8sqのケーブルを使っています。

今回の実験に合わせて新型プロジェクタイルを作ります。

↑これが新型プロジェクタイル
ほぼ立方体の形をしたプロジェクタイルです。重量はわずか0.34g
プロジェクタイルをこのような形にするのは、姿勢変動を少なくするためです。
前回の実験で姿勢の変動が確認され、初速低下の要因になると思われたので、
そこで、もとからの空気抵抗が最大となるようにプロジェクタイルを立方体にしたわけです。

2013/1/9

LCRメーターを購入したので以前から気になっていたコンデンサバンクの総容量を測定しました。
測定条件 16℃ 120Hz

ひとつひとつ計測していき、容量を合計したところ…
111200μF (8896J)
……9kJもなかったという衝撃の事実
まあ、ともかく容量が大体わかったので(温度で多少容量が変わる)良しとします。

2013/1/13

より正確な測定をすべく、初速を図る装置を作りました。
中は空洞で何もない非常にシンプルな作りをしています。測定方法は簡単です。空洞の前後に銅線を張り巡らします。
前後で異なる電流を流し、オシロスコープで記録します。後はプロジェクタイルをつかって銅線をカットするだけ、
すると、カットするごとに変わる波形をオシロが記録するので、二点間を通過した時間から初速を計算します。
銅線は切れやすいように0.2mmのホルマル線を使っています。
(ちなみにこの方法をワイヤーカット法と言います ※JAXAの文献より)

ちなみにオシロスコープにはこれを使います。
PCに接続して使うタイプのオシロスコープ、PicoScopeです。 リアルタイムでの波形記録が可能な他、
同時に2ch入力が可能なので、初速の計測と放電波形の記録を行います。

2013/1/17

実験の安全性を高める目的で保護チャンバーを製作

跳弾対策の他、発射時に煙をファンで浄化、そして微々たる防音の役割を果たします。

2013/1/21

スイッチでの損失を抑えるためにバネを強いものに変えたら、ボルトの支えが外れました。

そこで一番最初に作ったスイッチに使っていたバネを使います(太めの方)
右のバネよりは弱いですが、前回よりは強いので多少はスイッチング速度も早いと思います。
オシロスコープは18000円も(これでも安い方ですが…)します。EMPで壊れたら堪らないので
EMP対策でアルミで包み、さらに上からパンチングアルミで保護します。
レールガンを格納するコンクリブロックの後方にフタをする板を作りました。
これでレールガンが閉鎖空間の中に入り、防音能力と安全性を高めます。

2013/1/27 実験初日

準備も整い、実験に臨みます。

プロジェクタイルの加速は前回同様、ハイブリッドアーマチャ方式です。金属固体にはアーマチャ0.31gのアルミを使用、
前回とほぼ同様にすることで、銅レールの効率の変化を見ます。
いざ発射

……………

あぼーん
ターゲットに被せていた箱が吹っ飛びました。映像を見るに、飛翔体の命中したアルミ缶が勢いよく飛ばされて衝突、
大破といった流れだと思います。
満水のアルミ缶吹っ飛ばしたうえに箱を破壊ってどんな出力よ?
そしてヒットしたアルミ缶
上下の膨らみが大きく、裂け方が前より大きく感じます。
ちなみに違うところでも被害が
インダクタを固定していた結束バンドが破断しました。やはりガムテが必須な模様。
残電荷
レールを銅にしたり、ケーブル等の抵抗を下げる等してもこれだけ余るということは、
やはりレールが短いという事でしょうかね。

で、肝心の波形観測なんですが、
.1
.2
.3
こちら、青線が初速計測、赤がレールガンの波形記録です。
レールガンの放電波形はどう見ても計測失敗です。こんな平面になるはずがありません。
初速計測の方は3コマに掛けて動きが見れますが、結構あいまいです。
1→2コマでいきなり3vから1.5vに下がり、3コマ目で0vにダウン,電圧が下がる瞬間が捉えられてません。
ギリギリ映らないところで下がったとするなら、2msとなりますが、
それで計算すると初速は100m/sで運動エネルギーはわずかに1.7J
1.7Jはどう考えても足りなさ過ぎです。これでアルミ缶は裂けないでしょう
やっぱりもう少し単位上げて図った方がよさそうです。今回は200μs/divだったので500ms/divぐらいまで上げてみます。
結局両方失敗してますね…。まあ初めての試みだったので仕方ありません、
次では成功するようにセッティングします。さて、気になるレールガン本体、中を見てみましょう。
横から漏れたようで煤が付いてます。

煤をふき取ったところ、放電痕は見受けられるものの損傷は軽度です。ちょっと心配だったネジ端子は無傷でした。
変形もなく、イイ感じです。当分は使えるでしょう。そして放電痕は約30cmに渡って見られたので、
おそらくその地点でアーマチャが溶けきったのでしょう。

ひとつ気になるのは、いくらこすっても取れない煤が50cmに渡って付着していた事。
これはプロジェクタイルを推進してなくても、二つのレール間で放電し続けたことを意味しているのでしょうか?

2013/1/28

分析を続けます。
破壊された箱、それにしてもボンドで強力に接着されていたのにアルミ缶ごと吹っ飛ばしてしまうなんて、
いったいどんな出力だったのか、ちなみに、この箱の滑り止めにしていたコンクリート板(2、3kgある)も押し倒されていました。
こちらプロジェクタイルの拡大写真
いま上を向いている面が前に進む面です。銅線を切断した時についたと思われる二本のスジがついています。
手前の黒い二本線は銅レールと接していた面であることを示しています。何故こんな風に線が付いたのかも興味深いですね。
そしてアルミ缶に衝突したであろう上面には歪みが見受けられます。
裂けたアルミ缶に正方形の部分が見受けられます。おそらくここに衝突したのでしょう。
と言うことは、プロジェクタイルが姿勢を変えることなく進んだということです。 立方体にしたのは正解でした。
アルミ缶の中を見ると、奥に筋状の凹みがあります。高速度な状態でプロジェクタイルの角が当たった可能性が高いです。
これは前回のアルミ缶では見受けられなかったので、効率が上がっているのは間違いないでしょう。
もう少し効率が上がったら水入りのアルミ缶が貫けそうな気がします。
前期のアルミ缶と比較
やっぱり裂け方がちょっと大きいですかね。

2013/2/1

次の実験では初の試みをします。

初の銅アーマチャです。どれくらい結果が違うのかを調べるためになるべく重さを揃えています。
(前回のアルミアーマチャは0.31g、今回の銅アーマチャは0.38g)
ちなみにアーマチャが円形なのは、ホムセンに売ってたのが丸棒だけで形に深い意味はないです。
JAXAの研究データを見ると2mm厚の銅アーマチャで最高効率を出している模様。
条件が全く違うのでどうなるかは分かりませんが…。

2013/2/3

実験二日目です。
先に結果から言ってしまえば、興味深い物でした。まず、的に被せる箱ですが、無事、破壊されませんでした。
換気ファンも大分仕事してくれたようで、いつもより煙が少なかったです。ちょっと発射音も小さくなったかな?

で、今回の興味深い結果の一つ目がコチラ

ヒットしたアルミ缶の中です。煤けたプロジェクタイルの他に、銅アーマチャが入っていました。
回収したプロジェクタイルとアーマチャ
ほとんど解けずに残っています。やはり抵抗が低いのでジュール熱による消耗が少なかったのでしょう
使用後の銅アーマチャ重量、0.28グラムなので0.1g分溶けたことになります。
ちなみにコンデンサの残電荷は相変わらずで、96v余っていました。(レールの短さが原因と見てもう間違いありません)
今回のアルミ缶

中身
奥に二つの傷が見えるのが分かると思います。形からして、上がプロジェクタイル、
下が銅アーマチャによってつけられた傷と思われます。
しかも、アーマチャが付けたと思われる傷は裂け掛かっており、穴が開く直前まで行っていたことが分かります。
この傷の大きさから、前よりも効率が良いということが証明できます。

レールの分析に移行します。
ズーム
かなり溶着物が見られますが、レール自体はほとんど損傷していません。
この二回の結果からして、10kj以下の低エネルギーでの銅レールの使用は有効と思われます。
ちょっと煤をふき取ってみると溶着物は銅と判明
アーマチャ側の銅がくっ付いたのだと思いますが、そもそも何故こうなるのか、この部分も興味深いところです。
そして最も気になるのがコチラ、オシロが捉えた波形です(今回は捉えることに成功?)
(初速計測波形)  (コンデンサ放電波形)
放電波形の方は、インダクタでの計測を結局取りやめ、
コンデンサそのものの波形を見ましたが直線的過ぎて怪しいところがあります。
しかし、一番の謎は初速計測波形です。
ズーム
…何故下がって上がったのか
ただ銅線切断するだけなら電圧は下がり続けるはず。しかし謎の電圧上昇があります。
たぶん発射口から近すぎて、EMPの影響を大きく受けた?と思われます。

2013/2/4

波形に関して分析
幾つかポイントを設けて分析します。
まず①、コンデンサの放電ですが、放電を完了するまでに65ms掛かっています。
しかし、これは長すぎです。たとえ0.1Fあっても放電完了までに10msと掛かりません。
(もしかしてプローブ内部のコンデンサが原因で降下に時間がかかってる?それとも仕様の問題?)
そして、コンデンサの放電同様、初速波形も降下に時間が掛かり、1.5v側が降下中の直線内部に
埋もれてしまった可能性があります。 ちなみに③以降の波形は不明、プラズマによる導通は考えられません。(EMPによるもの?)
2013/2/5
銅レールに付着した銅の粒についてちょっとだけ分析
結構大きいので取り除きます。
意外と簡単にポロポロ落ちます。ちょっと気になって測定。
銅レールの損傷は殆どないのでやっぱりアーマチャ側の銅ですね。どうやら銅アーマチャは若干溶けたものの、
全くプラズマにはならなかったようです。銅の粒は恐らく、プラズマ化したスチールウールとの接触で融解するも
熱容量の大きい銅レールに接触して冷え固まった、と言ったところでしょう。
Q:あれ?それって銅レール側も溶けてるって事じゃね? A:簡単に取れる程度なので温度こそ上がっても微々たる程度しか溶けていと思われます(推測)
銅レールこそ損傷していませんが、銅アーマチャを使うことで毎回この状態になるのはいささか面倒ですね…
次回はプラズマ源をスチールウールからアルミに変更して実験予定

2013/2/7

電圧の降下に時間が掛かってしまうため、オシロスコープでの放電波形の計測は一度やめて、
2chで初速の計測を行うことにしました。そして電圧が低いとノイズが入ったときに区別しにくいため、
使用電圧を一次側12v、二次側5vに上げます。あとEMP対策でアルミのシールドを作りました。
レールガンの発射口からすぐの所に置いてEMPを遮断します。念のため二重にシールドを設置、
アルミホイルと0.3mmのアルミ板で遮断、アルミホイル側は完全に覆われてますが、簡単に裂けるので無問題です。

2013/2/9

新しいアーマチャを製作
これもハイブリッドアーマチャです。銅アーマチャ後部に10μgにも満たない0.1mmのアルミを付けました。
いつも装填するスチールウールよりさらに軽く、少ないです。0.1mmしかない為、瞬間的にプラズマに変化し、
銅アーマチャをレールと導通させます。また、プラズマになるその一瞬だけ、
ソリッドアーマチャとして機能することでプロジェクタイルを前進させます。

2013/2/10

3回目の実験を行い、第二期、一回目が終了。
動画にまとめましたので、ご覧ください。

2013/2/11

動画で三回目の分析はしちゃいましたが、とりあえず書きます。まずご存知の通り初速は333m/sでした。
(※0.1msの誤差でかなり初速が変わる為、3×10^2m/sになります) 今回の実験で意外だったのは、
効率がスチールウールに比べ、低かったと言うことです、アルミの方が効率がいいと思ったのですがね…
とりあえず今後は銅+スチールウールの組み合わせで行きます。
動画ではさらっと流してしまった衝撃波の発生の根拠となるものを説明します。

いずれも動画で使った画像です。まず電磁シールド、煤けたところがレールガンの射出口と面した方です。
画像だと少し分かりにくいですが、変形しています。プロジェクタイルがヒットしないように穴の位置を調整してあり、
衝突はありえません。プラズマも同様です。つまりこれを凹ませる要因は、初速が音速であったことも踏まえ、
衝撃波であった可能性が高いです。そして初速計測の銅線、これは突入側です。
切断した両サイドの導線が外側に膨らんでいます。勢いよくカットしたとしても普通なら引っ張られ、
少なからず張りつめた状態になります。これも衝撃波によって外側に膨らんだと推測できます。
衝撃波から話は変わり一つ気になることがあります。
三回目の実験で、飛翔体のヒットした部分が、綺麗にカットされていたことです。
この現象はなぜ起きたのか、疑問です。初速が早ければ綺麗にカットできるのか、
それとも飛翔体がまっすぐにヒットしただけなのか、それともただの偶然か。
明確な理由はまだ分かりません。

まだ不可解な部分はいろいろありますが、spec2.2.1での実験はここで終了です。

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