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工作系

自作スポット溶接機

工作の幅を広げるためにスポット溶接機が欲しいな~と思い、自作することに。
【そもそもスポット溶接機って何ぞや?】
溶接機であることはわかると思います。ではスポットとは?スポット溶接は、溶接したい二つの金属に
電流が流れる電極を押し当てて瞬間的に大電流を流し、電気抵抗で生じるジュール熱で溶接します。
電極を当てたスポット(点)で溶接するので、スポット溶接と呼ばれます。(抵抗溶接とも言われる)
設計はいつも通りCGソフトを使用してモデリング
大体こんな感じ
電極は着脱可能で、上下で溶接するタイプと上からのみ2点で溶接するタイプの2パターンを作ります。

電源

溶接には瞬間的に大電流を流せる電源が必要です。ようつべなんかを見てると電子レンジトランス(MOT)を改造して溶接に使ってる方が多いですが、私はこれを使います。
はい、電解コンデンサです。一つ100000μF、合計400000μFという電気二重層キャパシタに迫る容量です。
中古品なので、容量抜けがあると思いますが、大容量すぎて私のLCRメーターでは測定できません…。
80vまで充電すれば1kJオーバーのエネルギーを蓄えられますが、危険すぎるので30v程度までに制限して使います。
(充電回路の都合上30vが上限ということもありますが)
また、スイッチには大容量のディスクサイリスタを使います。
大阪の某所で購入しました。

製作

電極は6mmの銅棒を使用、先端をとがらせた後、90度曲げます。
下側の電極を取り付けるアルミブロックのネジを切る最中にタップが破損…。
取り出そうにもビクともしないので、フライス盤を使って強引に切削して摘出しました。
なんとか使える感じに穴が残ったのでこのまま使います。

2014/8/11

可動部を製作しました。支柱はビーチ材を使用、回転軸のところは摩耗低減のためにアルミパイプをはめてます。
設計上、電極部分からハンドルまで金属で物理的につながっていて(電圧は低いですが)感電もあり得るので、
樹脂パイプを通した上にスポンジを被せています。(上部のボルトは丸出しですが…)
あとディスクサイリスタを固定するパネル?も製作
使用したのは10mmの塩ビ板。
塩ビ板で直接サイリスタの極板を抑えるので、塩ビが反らないように10mmも厚みがあります。
(まあそれでも撓りますが)

2014/8/13

フレームの素材には、比較的に安価で、耐熱/剛性/絶縁に優れるポリプロピレンを使用します。
側面は5mm厚、上部だけ6mm厚になっています。
 操作パネルを取り付ける部分をカット
フレームは強度が求められるので、ボルトとアルミアングルを使ってつなぎます。
アングルは厚み1.5mm、幅15mmのアングル棒から20mmずつ切りだし、穴あけの目印をケガいていきます。
 …が、めんどくさくなったので、治具を作って一気に穴あけ
PP側にも必要な穴をあけていきます。排熱、吸気用の穴はアルミパンチをガイドに穴あけ
穴あけ終了後、装飾としてカーボンシートをラッピング。
 ドリルを使って塞がった穴の部分を取り除いていきます。
 しかしここで問題が、排熱用にあけた穴の間隔が狭すぎてカーボンシートが破けました…。
(薄々気づいてたけど貼っちゃったし物は試しと思ってやった結果がこれです)
 仕方ないのでプランを変更、穴の部分だけ切り取り…
クリアファイルに大きめの穴をあけて被せ、マスキングテープを貼って、タミヤスプレーで塗装します。
そしてアルミアングルで組みます。
そして上部のパネルを付けたり、取っ手を付けたりしてフレームは一通り完成。(カーボンシートはかなり汎用性あっていいですね)

2014/8/23

スイッチ、メーター類を取り付けるパネルを製作。
しかし真ん中の電圧計に問題が…動作テストをしたら、測定値が常に前後して正確な値が把握できず。
急きょアナログメーターに変更することに。(みなさん設計前の動作チェックは忘れずに…)

 ハンドルでむき出しだったよりボルトに絶縁用ナイロンナットを付けました。
(※ボルトキャップは気分でシルバーに塗装しています。)
 上から溶接するタイプの電極も製作、左右でしっかりと金属に接触してくれないと困るので、
電極はスプリングを入れて上下に若干のストロークを持たせています。
 電極はフライスで斜めに削って鉄やすりで加工しました
配線します。
電源トランスには家に転がっていた壊れたポータブルコンポから取り出して流用。
出力の調整には秋月電子の可変スイッチング電源キットを使いました。
溶接したらすぐ次の充電ができるように、充電回路とコンデンサは常につながっています。
(間にトグルスイッチ挟んでるので切り離すことは可能) サイリスタの特性上、一度導通すると電流が0にならない限り流れ続けるので、
溶接ボタンと連動して、充電回路とコンデンサの間にあるリレーを操作することで物理的に遮断、
充電回路の電流が溶接側に流れ続けるのを防ぎます。
ボリュームプレートの製作、実際に動かしたときのボリュームの位置を白紙にマークしてスキャナで読み込み、
あとはマークに沿って線を描いたり、数字を入れたりして印刷、アルミ板に張り付けて完成です。
Bカーブのボリュームのはずなのに、なぜかAカーブのように立ち上がって後半はきつきつの状態でした。

完成

何個かトラブルがあって仕様変更したところもありましたが、何とか完成したわけです。
カーボン地に露出したネジの頭が見えてる感じがなんかいいです。
実際に使ってみた動画



動画でも言ってましたが、上から溶接するタイプはまだまだ改良の余地があります。

以上スポット溶接機の製作でした。